メーカーエンジニアのエンタメ日記

メーカー勤務のエンジニアのエンタメ関係のブログです。

現代の人に響くヒューマンドラマ、「私の解放日誌」

 本ブログの初記事ということで、まず私が今回書きたいのは、大好きな韓国ドラマ「私の解放日誌」についてです。このドラマ、一般的な知名度はないものの、とてもいいドラマなので是非いろんな人に読んでほしいと思い、今回紹介させていただきます。

「私の解放日誌」とは?

 「私の解放日誌」は2022年にリリースされた韓国ドラマです。このドラマ、他の韓国ドラマと比べると異色な内容になっています。色々なポイントを挙げたいのですが、まずは以下のポスターをご覧ください。

「私の解放日誌」の公開前のポスター

 いかがでしょうか?、あまり韓国ドラマらしくないと感じないでしょうか?というのも韓国ドラマというと、

 ・美男美女がキラキラしている場所にいる

 ・シリアスな雰囲気でキャラが並んでいる、睨み合っている

ようなイメージがないでしょうか。ところがこのドラマのポスターは3名の男女が電車(しかも今にももみくちゃになりそうな満員電車)に乗っていて、前に何か事情がありそうな男性が電車に乗る気もなさそうな感じで歩いている様子です。どこにもキラキラな要素やわかりやすいシリアスな状況を示すようなものではないです。

 みんな違う方向を向いていて、楽しそうなではなく、どこか曇った表情をしているのが印象的です。まず、このようなビジュアル面でこのドラマの異色さがわかるかと思います。

何が現代人に響くのか?

 上でも述べましたが、ポスターのビジュアルからもわかるようにキャラクターはみんな事情を抱えています。メインの3人のキャラは全員兄弟なのですが、それぞれ特質の違う悩みを抱えています。会社での人間関係、自分の出生、生活環境、格差社会、恋愛・結婚、自分の過去と未来など、現在人の多くの人に共感し得る題材がそれぞれのキャラクターを通して、追体験することができます。様々なキャラが抱えている柵からの「解放」がこのドラマのテーマになっていて、その問題と向き合いもがいている様がこのドラマの醍醐味かと思います。

 自分がこのドラマが現代人に響くと思うのは、とにかく設定の等身大感とリアルさです。主人公たちはソウルからは1時間以上も離れている郊外地で暮らす30代の兄弟です。家はお父さんの運営する水回りの工務店と農作業で生計を立てています。ソウルでは暮らせないので、実家暮らしで、土日は農作業の手伝いをしなきゃいけないし、兄弟は今の不満をギャーギャーいうような環境にいるということでメインの主人公の主人公のヨム・ミジョンは内向的で、心が荒んでいきます。このような設定のドラマを自分はなかなかみたことがありませんでした。

メイン主人公のヨム・ミジョン

 韓国ドラマというと、信じられない設定やあり得ない展開が次々を降ってくるイメージがありますけど、このドラマはそんなことは起こりません。このドラマはむしろ「この日常が苦痛で仕方ないし、抜け出せる気もしない」というムードが強く出ていますし、劇的なことはほとんど起こりません。そんなことは起こらない一方、自分にも手が届いてしまいそうな気まずい場面や後悔が散りばめられています。

 自分はあるキャラがとあることを言ってしまって苦しんでいるところは、非常に共感させられるものがありました。

ミジョンと謎の事情を抱えた男性ク

作品の特徴

 このドラマの作品の特徴は、自分はセリフにあると思います。特にそれが顕著に表れているのは主人公のヨム・ミジョンです。

 前述の通り、ヨム・ミジョンは内向的で世渡りもうまくない人物です。ミジョンもセリフはちゃんと話しますが、一人でいるシーンは印象的なモノローグが挿入されることが多いです。そのセリフは1つ1つ胸を打つものがある魅力的な言葉で構成されています。

 また、このドラマは全体的にセリフが少ないです。見つめ合ったり、気まずく沈黙するシーンであったり、展開がわかりやすくはないシーンが多いです。シーンの間や行間を読み取る必要があり、何回も見て気付かされるようなシーンもあります。そんなことから、本作は文学が好きな人にも刺さるようなセンスがあると思います。

主人公のヨム・ミジョン

どんな人におすすめか?

 内容は面白いですし、基本的にどんな人にもお勧めしたいのですが、特にお勧めなのが、

 ・自分の落ち着ける場所を見つけられない人

 ・アラサーで社会に生きづらさを感じている人

 ・自分に自信が持てない人

などの方々です。あと、本作は「マイディアーミスター」と同じ脚本家の方の作品なので、その作品が好きな方は是非ご覧いただきたいです。